神仏霊場・表紙 > 大阪・豊楽の道 >叡福寺・1

神仏霊場を行く
神仏霊場のロゴをクリックすれば表紙に、大阪・豊楽の道をクリックすれば大阪霊場の目次に戻ります。
大阪第16番
叡福寺
宗 派 真言宗単立寺院
本 尊 聖如意輪観世音菩薩
叡福寺・2へ  
大阪再発見・叡福寺へ
参拝メモ
[参考資料:『磯長山 叡福寺縁起』叡福寺パンフレット、『日本歴史地名体系』(大阪府の地名編)平凡社]

叡福寺は聖徳太子の墓前に営まれた寺院で磯長山と号する。かっては石川寺、磯長寺、御廟寺とも呼ばれ、下太子大聖将軍寺(現八尾市)、中太子野中寺(現羽曳野市)と共に上太子と並称される。 寺院の創立は明らかでないが、寺伝によれば622年(推古天皇30年)2月22日に没し、当地に葬られた聖徳太子の陵墓を守護追福するために、坊舎を営んだことに始まると伝える。

724年(神亀元年)聖武天皇の勅願により、広大な伽藍が建立されたと言われる。6町四方の寺地を下賜され、東西2院形式をとり、東院を転法輪寺、西院を叡福寺と称したと伝える。古くより皇室を始め、人々の尊崇を集め、太子信仰の隆盛に伴い、四天王寺法隆寺と共にその中心となり、天皇の行幸や寄進、高僧の来訪するところとなった。叡福寺文書によると、1126年(大治元年)祟徳天皇が水田20町歩を寄進し、1294年(永仁2年)後深草上皇院宣により高安庄(現八尾市)が寄進された。承安年間には(1171~75年)には平清盛は勅命により重盛に堂宇の修築をさせたという。

当時の伽藍は1574年(天正2年)織田信長の兵火で焼失。1603年(慶長8年)豊臣秀頼が燈明料70石余を寄進、同年後陽成天皇の勅命で聖霊殿を再建した。徳川時代にも寺領として70石余が安堵され、多宝塔、金堂などの再建も進み、現在に至っている。

叡福寺南大門 叡福寺金堂
叡福寺南大門。1574年(天正2年)の兵火で焼失、慶長年間に再建されたが、老朽化のため、1958年(昭和33年)に再々建された。
手前には「聖徳皇太子磯長御廟」と刻まれた大きな石碑が建つ。
叡福寺金堂(大阪府指定文化財)。1732年(享保17年)再建の棟札が残る。本尊は90cmの如意輪観音坐像。
叡福寺多宝塔 叡福寺聖霊殿
叡福寺多宝塔(国重文)。1652年(承応元年)。江戸の信者三谷三九郎らの寄進による再建。 叡福寺聖霊殿(国重文)。1603年(慶長8年)後陽成天皇の勅を奉じ、豊臣秀頼が再建。1187年(文治3年)後鳥羽天皇が臨幸の折、下賜された聖徳太子16歳植髪等身を祀る。
                                                                                                                                                                                                                                                                  
                                                                                                                                                                                                                                             
二天門 南大門から二天門を望む 二天門から南大門を望む
二天門。1688年(元禄元年)丹南(現松原市丹南)藩主・高木主水正が寄進したと記録に残る。奥に見えるのは聖徳太子廟。 上の写真は南大門から二天門を望む。右は反対側の二天門から南大門を望む。南大門から二天門の間には遮る建物はなく、まっすぐに見渡せる。
浄土堂 上の御堂 弘法大師堂
浄土堂。1597年(慶長2年)石川郡代官・伊藤加賀守秀盛の再建。本尊は阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の三像。 上の御堂。1688年(元禄元年)丹南藩主・高木主水正が二天門・回廊・鐘楼などと一緒に寄進した。聖徳太子35歳像を祀る。 弘法大師堂。本尊の弘法大師像は自ら三鈷をもって刻んだと伝わる。
見真大師堂 客殿 念仏堂
見真大師堂。(明治45年)建立。本尊は親鸞聖人坐像を祀る。親鸞聖人88歳で参篭した折、自ら刻んで遺したと伝わる。 客殿。1575年(天正3年)、高屋城(現羽曳野市古市にあった)が織田信長軍の攻撃で落城した際の古木を用いて建てられた。 念仏堂。堂宇は18世紀中頃の建立。本尊は信州善光寺如来を模して造られた阿弥陀如来像。善光寺48願所の第13番札所。
経堂 宝蔵 塔頭・聖光明院
経堂。六角形の建物で、多くの写経が納められている。 宝蔵。寺宝が納められている。 塔頭・聖光明院。本尊は大日如来像。中世期には八か寺あった塔頭も現在ではここだけになっている。
ご朱印
叡福寺朱印